民放連の放送基準には何と書いているか

 がん専門医である中川恵一氏(東京大学特任教授)もサプリの過剰摂取について警鐘を鳴らしています。日本経済新聞のコラム「がん社会を診る」(2023年11月1日)で、次のように述べています。

  • 緑黄色野菜に含まれるベータカロテンをサプリとして摂取すると、かえって肺がんが増える
  • ナッツを多く食べると死亡率が下がるデータがあるが、ナッツに多く含まれるビタミンEのサプリを摂り過ぎると逆に死亡率が上がる

 薬であれば何らかの副作用があると意識しますが、サプリは健康補助食品なので「体に優しい」と気軽に考えている人は多いのではないでしょうか。健康食品に対する消費者ひとりひとりのリテラシーを高めるためにも、医療関係者などの専門家は、もっと警鐘を鳴らし啓発してほしいと願います。

 テレビCMの話に戻りましょう。

食品の広告は、健康を損なうおそれのあるものや、その内容に虚偽や誇張のあるものは取り扱わない。

 これは日本民間放送連盟(民放連)の放送基準に書かれているものです。各放送局は、このガイドラインに沿ってCM考査を実施しています。つまり、放送されているCMは、放送局が「内容に問題ない」と判断したものなのです。