元気はつらつの高齢者が登場、商品の素晴らしさをアピール

「でも大丈夫!○○という成分が役立つことが報告されています」

 今度は一転して安心材料を提示し、その成分の働きを示すグラフを用いて説得力を持たせます。「天然由来」「すべて国産」などの言葉を挟み込んで安心材料を補強します。

「飲んでびっくり!一生飲み続けます!」
「すごく、おいしい!習慣になっています!」

 元気はつらつの高齢者が次々に登場し、商品の素晴らしさをアピールします。視聴者の感情に訴えたところで、ここでもう一度、「○○ 成分が健康をサポートする」などと言って、根拠が十分にあるのだと、理性に訴える両面作戦に出ます。

 そして、「初回限定!半額でご提供!今すぐお電話を!」と、お得感をアピールして購買意欲をかき立てます。

 一方で、CMの途中で、「個人の感想です」といったような文言をはじめ、各種の「但し書き」を小さい文字で表示していますが、おそらくきちんと読めている視聴者は少数派でしょう。読み切れないものを放送することに疑問を感じました。

 もっと根本的な疑問もあります。

 それはCM中で繰り返し出てくるキーワードである「成分」です。

 ある成分を摂取すれば「中性脂肪を低下させる」と言います。また、ある成分は「足の筋肉に作用して歩行能力向上に役立つ」のだそうです。何となく聞いていると、「成分」が体の中でうまく働いて、自分の体が変わるかもしれない・・・そんな気分をもたらします。

 しかし、その「成分」と呼ばれるものは、医学的な見解がまとまっているものばかりではありません。