2024年5月6日、プロボクシングで井上尚弥vsルイス・ネリの試合が東京ドームで行われる。井上氏は、2023年12月26日の対マーロン戦で10ラウンドKO勝ちを果たし、「世界スーパーバンタム級4団体統一王者」の座に輝いたボクシング界のスーパースターだ。世界各地に多数のボクシング団体があるが、井上氏が王座を持つのは「WBA」「WBC」「IBF」「WBO」の4団体。それぞれ何が違うのか。
(杉原健治:フリーライター)
最も歴史の長いWBA
「WBA(World Boxing Association=世界ボクシング協会)」は世界で最も長い歴史を持つ団体だ。1921年に誕生した「NBA(National Boxing Association)」が1962年にWBAへ名称を変更した。日本人では亀田興毅氏や弟の大毅氏、具志堅用高氏や竹原慎二氏などがチャンピオンになっている。
WBAには正規の王者以外に「スーパー王者」という制度もあり、チャンピオンの中でも優れた戦績を残した選手が認定されるようだ。井上選手もバンタム級でこの「スーパー王者」の称号を得ている。
最も加盟国の多いWBC
WBAよりも加盟国が多いのが、「WBC(World Boxing Council=世界ボクシング評議会)」だ。加盟国は主要4団体で最も多い160カ国を超えている。当初はWBA内に設立されたが、後に分裂した。
WBCで世界王者となった日本人には、ガッツ石松氏や辰吉丈一郎氏、内藤大助氏、山中慎介氏などがいる。
IBFとWBOは日本での歴史はまだ浅い
「IBF(International Boxing Federation=国際ボクシング連盟)」は1983年に設立された。WBA内の「USBA(全米ボクシング協会)」が母体で、本部もアメリカのニュージャージー州に置かれている。日本は2013年に正式加盟した。日本での歴史はまだ浅いものの、井上氏以外にも亀田大毅氏や田口良一氏らが世界王者となっている。
主要4団体の中で、最も若いのが「WBO(World Boxing Organization=世界ボクシング機構)」だ。1998年に設立され、プエルトリコに本部を構えている。IBF同様に、日本は2013年に正式加入。WBOでチャンピオンの座に輝いた日本人には、井岡一翔氏がいる。