ファイトマネーは誰が払う?
ここでプロボクシング選手の収入、いわゆる「ファイトマネー」についても触れておこう。実は各団体はファイトマネーには関与していない。
日本では興行のスポンサーからファイトマネーが選手に支払われるのが一般的だ。一方、たとえばアメリカではスポンサーに加えて、テレビ局やネット配信会社などがPPV(ペイパービュー)で得られる収入からもファイトマネーが支払われる。
PPV市場は拡大し続けており、2015年に行われたフロイド・メイウェザーとマニー・パッキャオによる「世紀の一戦」とも言われた試合では、放映した米ケーブルテレビのショータイムとHBOが4億ドル(約600億円)を収入をPPVであげた。
チケット販売や米国外への放送などで得られた収入を合わせると総額5億ドルにもなったとみられ、その大部分がファイトマネーとしてメイウェザーとパッキャオに支払われたとされる。当然、勝者のメイウェザーの取り分の方が多い。
PPV市場が拡大していく中でファイトマネーの高騰化も止まらず、昔のようにテレビ局が単独でスポンサーを集め、ファイトマネーを支払うことも困難になってきている。井上尚弥選手の試合は2021年12月に国内で初めてPPVでネット配信された。5月6日の試合もAmazonプライムビデオでの独占ライブ配信となっている。ファイトマネーはどれくらい巨額なのだろうか。