FIFAワールドカップ26のアジア2次予選が6月に開催される。日本代表メンバー26人が発表され、Jリーグからは前川黛也(ヴィッセル神戸)、大迫敬介(サンフレッチェ広島)、谷晃生(FC町田ゼルビア)、長友佑都(FC東京)、川村拓夢(サンフレッチェ広島)の5人が選出された。
日本代表メンバーの活躍はサッカーファンのみならず多くの日本人を魅了する。だが、華やかに見えるサッカー選手の生活は、必ずしも安定していない。Jリーグには、アルバイトで生活費を補填しなければならないほど報酬が低いケースもあるという。背景にあるのがJリーグ固有の「ABC契約」。制度の見直し向けた機運が高まっているが、そもそもどのような点に課題があるのだろうか。
(杉原健治:フリーライター)
日本初のプロサッカーリーグとして1993年に開幕したJリーグ。2024年現在、全国各地を拠点に60チームがリーグに所属し、それぞれJ1~J3という3カテゴリーのいずれかに分類されている。
近年Jリーグでは若い選手の活躍を後押しする機運が高まっている。2023年のシーズンでは21歳以下の選手を積極的に起用するよう促すルールを導入。またJ2やJ3では、リーグ戦で21歳以下の選手を規定の時間以上出場させたクラブに対し、300万円の奨励金が支払われる制度も始まっている。
過去にはJ3のリーグ内に22歳以下の選抜チームが参加したり、一部クラブに所属する23歳以下の選手で構成されたチームが出場したりといった取り組みが行われたこともある。さらにJリーグのフットボール委員会は5月2日、来季から21歳以下のリーグを新設する構想を明らかにした*1。
*1:Jリーグ、来季から21歳以下リーグ新設の構想 19~21歳若手の出場促進目指す(スポーツ報知)
若手選手を積極的に起用しようという動きが活発になる中、課題も指摘されている。若手サッカー選手の報酬の低さだ。現在の契約制度がネックになっているという。どういうことか。