豪雨災害の原因は気候変動だけ?

 国土交通省は、2018年に「気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会」を設置。2021年、同検討会は、世界の平均気温が2度上昇すれば、降雨は1.1倍、流量は1.2倍、洪水発生頻度は2倍になるから、それを踏まえた治水計画が必要だと提言した。

「2度」とは国連の気候変動枠組条約締約国会議が「パリ協定」で定めた産業革命以前と比べて、それよりも「十分低く保たねばならない」と決めた上昇温度だ。

 国土交通省は、同年、通称「流域治水関連法案」を作り、国会は成立させた。

 言い換えると、豪雨災害が続いたのは、気候変動が原因であって、従来の治水のあり方が悪かったわけではないというスタンスなのだ。