「流域治水にダムは必要か」というテーマで講演を頼まれた。この連載を読んでくださったようだ。そこで「流域治水」という観点から、これまで取材してきたことを振り返ってまとめてみることにした。 流域治水と言えば、日本では2014年に滋賀県が「流域治水推進条例」を作ったことが有名だ。嘉田由紀子知事(当時)が住民参加で8年をかけて、河川改修やダムだけに頼らない治水について提案し続け、成立させた。川だけでなく、まち、道、家づくりや森林、農地も治水に役立てる。備えるための対策では、宅地建物取引業者が、取引相手に水害リスク情報を提供することを努力義務化したのも一つの特徴だ。 国も、6年後の2020年、やっと宅地建