株価上昇や景気下支えに寄与

 こうした日銀のETF購入が、ここ十数年間の株価上昇にどの程度、寄与したかの分析は困難です。日銀のETF購入が始まる直前の2010年11月から異次元緩和前の2012年末ごろまでは購入額もそれほど大きくなく、日経平均は1万円前後で推移していました。

 しかし第2次安倍政権の誕生によって様相は変わります。大規模な金融緩和への期待が高まり始めた2013年初めから、株価の上昇がスタート。途中、コロナショックによる急落はあったものの、日経平均は今年3月に4万1000円を超えて史上最高値を記録しました。ここ10数年で4倍になったのです。

 ETF購入額は2020年をピークにその後、大幅に減りました。しかし、日経平均株価は2020年末時点の2万7400円程度から1.4倍以上になっています。よって、ETF買い入れだけでなく、マイナス金利導入など、政府や日銀によるパッケージとしての経済政策が株価上昇や景気の下支えに寄与したのだろう、とは言えるでしょう。