~ 中小企業の今とこれからを描く ~
日本政策金融公庫総合研究所では、中小企業の今とこれからの姿をさまざまな角度から追うことで、社会の課題解決の手がかりを得ようとしています。最新の調査結果を、当研究所の研究員が交代で紹介していきます。前回に引き続き日本らしい製品やサービスの海外展開について取り上げます。最終回は、企業事例をもとに海外に商圏を広げたからこそ得られた成果について考察します。
(篠崎 和也:日本政策金融公庫総合研究所 研究員)
>>>#1「緑茶は米国へ、食品サンプルはインドネシアへ「日本らしさ」が海を渡った物語」
>>>#2「フランスへ渡る駅弁、オーストラリアへ渡る昆布…海外展開の壁、中小企業はどう乗り越えた?」
海外展開によって得られる成果
前回は、海外展開を成功させるために必要な「商品・サービスのカスタマイズ」「円滑な供給への工夫」「外部資源の活用」の三つのポイントをみてきた。
事例企業はいずれも、文化や生活様式の異なる海外のニーズをよく分析し、通関手続きや法規制に臨機応変に対応しながら商品やサービスを広めていった。そして、自社に不足する資源は、外部と連携することで補った。
【興味のある方はこちらもご覧ください】
困難な道のりをたどったからこそ、得られた成果は大きい。最終回は、日本らしさを海外展開したことによる三つの成果と、地域や社会に与える「波及効果」をみていきたい。