フォッサマグナによる地滑り多発地帯だった

 駅舎の外に出てみると、晩夏の日差しがまぶしい。

筒石の駅舎外観筒石の駅舎外観

 筒石駅は地域住民の生活道路から小道を入った奥にあり、集落の中心地からは離れた場所にある。

筒石駅への分岐路には案内板が立つ筒石駅への分岐路には案内板が立つ

 次の画像は、筒石駅を中心に少し広域に表示した地図だ。糸魚川(いといがわ)から直江津までの間に筒石を含め駅が8つある。筒石以外は地上駅だ。ただ、この間はトンネルが多く日本海はほとんど見えない。

赤線が頸城トンネル。筒石の両隣(能生駅と名立駅)の駅間はほぼトンネル(国土地理院地図より作図)赤線が頸城トンネル。筒石の両隣(能生駅と名立駅)の駅間はほぼトンネル(国土地理院地図より作図)
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 以前の単線時代の北陸線は海岸沿いにあり、地滑り被害に悩まされた。

 というのも、糸魚川から直江津にかけてはフォッサマグナ(日本を横断する地質学的な割れ目)の西縁部にあたり、砂岩や泥岩が重なった地すべりが起こりやすい地層だったからだ。

 このため、複線化のタイミングで旧ルートを廃止し、新たにトンネルを掘って新ルートとすることになったのだ。その際、筒石駅は廃止される可能性があったが、地元の反対などにより、トンネル内に駅を設置するという案で決着したのである。