逆方向、出口方向を振り返る。
こちらのほうが霧の濃度が薄いように思う。地上へつながる階段につながっていて、外気が流れ込んでくるからだろう。
トンネル建設時の斜坑を利用した224段の階段
連絡通路を出口の方に向かい、つきあたりを右に折れると、長い長い階段が目の前に現れる。この階段は、頚城トンネル建設時に作業用として使った斜坑を利用しているのだ。地上に出るには、この階段を上るしかない。
連絡通路から出口までは224段もある。日本一のモグラ駅として有名なJR上越線の土合(どあい)駅ほどではないが、これを上るのはなかなか苦しい。上っていくにしたがって夏の熱い空気が感じられるようになり、現実世界に戻っていくような感覚を味わった。
階段を上り切ったところには、下からの突風を防ぐための風よけがある。
次の図は、筒石駅を平面図で表したものだ。
駅舎とホームの高低差は約40mあり、その中間に連絡通路があるという3層構造になっている。
連絡通路の長さは約100m。真ん中あたりに下りホームへ下りる階段、終端に上りホームへ下りる階段がある。上りホームに通じる、連絡通路の奥に空気が溜まりやすく、それがあの霧を生み出していることがわかるだろう。