高齢者、障害者など「要配慮者」向けが主流

 能登半島地震では、こうした広域避難が2次避難とされましたが、法律上、1次避難と2次避難に明確な定義はありません。災害対策基本法第49条は「市町村長は(略)災害が発生した場合における適切な避難所」を設置しなければならないと規定しているだけです。

 ただし、同法施行令第20条には「主として高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者」、すなわち「要配慮者」の避難に際しては十分な支援を受けられるような体制と施設を準備する必要があると記されています。

 これが「福祉避難所」と呼ばれるものです。要配慮者が最初から福祉避難所に避難できればベストなのですが、実は多くの自治体は福祉避難所を2次避難先として位置づけています。そのため、発災後、すぐに福祉避難所が開設されると限らないようです。

 例えば、東京都足立区はホームページの災害対策コーナーで「第2次避難所(福祉避難所)のご案内」と題し、「第2次避難所(福祉避難所)とは、要配慮者のうち、災害時での避難所生活において、特別な配慮を要する方の避難を受け入れるために開設する避難所です。特別な配慮が必要な方が、安心して避難し、避難生活環境を保持するため、一般の方は福祉避難所に直接避難することはできません」と記しています。