有名旅館も被災者受け入れ
2次避難所は、滞在環境の良くない1次避難所から環境の整ったホテルや旅館に移動することで避難者の体調悪化などを防ぎ、生活立て直しにつなげる狙いです。1次避難所は市と町が設置・管理するのに対し、2次避難所は石川県が設置しました。
ほとんどの被災住民は地元を離れることになるため、2次避難は「広域避難」とも呼ばれます。利用条件は「自立した生活が可能であること」「家族の介助によりホテル・旅館での生活が可能であること」の2点です。
宿泊料は無料で、期間は自宅に戻ったり、仮設住宅に入居できたりするようになるまで。住み慣れた地域を離れることへの心理的負担や一時帰宅の費用は自己負担という側面はあるものの、1次避難所と比べると格段に住環境がよいことから大勢の住民が利用しました。
3月12日時点では、ホテル・旅館243カ所が2次避難所に指定され、利用者は累計で8600人余りに上っています。
今回の地震で石川県が用意した2次避難所は、金沢市以南の比較的規模の大きな旅館やホテルです。例えば、山代温泉(加賀市)の旅館「みやびの宿加賀百万石」は最大級の2次避難所となり、一時は被災者約350人が滞在。粟津温泉(小松市)の「のとや」「法師」などの有名旅館も2次避難所として多くの被災者を受け入れました。
行政からは避難者1人につき1万円の補助が出ますが、ある旅館の社長は「かつかつだ。赤字でなければいいと割り切っている」と地元メディアの取材に語っています。