未来に向けたスニーカー業界の在るべき姿とは?

 ブームが過ぎた今、スニーカー業界は在り方そのものについて課題が山積みだ。

 特にハイプスニーカーブームに見られる過剰生産などの実態は、環境だけでなく市場にも悪影響だと本明氏は主張する。

ハイプスニーカーは誰でも手に入るわけではないという希少性によって、需要を喚起してきたものでもあります。それが簡単に手に入るようになると、一気に興味を失う層が出てくることが予想されます。
まずは矢継ぎ早に商品をドロップすることをやめ、時間をかけて本当に消費者が求めている製品をリリースする形へ戻すことが必要です。

 本書では今回紹介した以外にも多くのトピックを扱い、スニーカーブームの歴史を紐解いている。身近な題材を通じて経済のしくみを理解したいという人は本書を手に取ってみてほしい。

スニーカー学 atmos創設者が振り返るシーンの栄枯盛衰(本明秀文著、KADOKAWA)