今や運動靴という枠組みを飛び越え、1つのカルチャーとしても世界中で愛されているスニーカー。その魅力である軽快な履き心地と個性豊かなデザインは、一流の革靴を日々の相棒とする読者諸氏をも魅了してやまない。ここでは“本物”を知る大人の男が選ぶべきスニーカーを提案する。

写真=青木和也 スタイリング=泉敦夫 文=TOMMY 編集=名知正登

 2月半ばの一大イベントとくれば、言わずと知れた聖バレンタインデー。意中の相手からの愛の告白と贈り物に期待を寄せ、一喜一憂した在りし日の想い出も、読者諸氏にとっては四半世紀以上前の話。それも最近では随分と様変わりしているとか。

 もちろんチョコが不動の人気1位であることには変わっていないが、贈る相手に合わせて本命チョコ、義理チョコ、友チョコと変化する名称に、世話チョコ、社交チョコなんていう昭和生まれには聞き慣れないものも。しかし、お題目は何であれ、もらえさえすればうれしく、特に“手作り”という響きがありがたいのは変わらない。これはチョコに限らず、他のモノにも言える。

 作り手のこだわりと手仕事の温もりを感じるクラフトなアイテムは愛着が湧きやすく、他の何“モノ”にも替えがたい無二の存在となり得る。スニーカーもそう。そこで今回のテーマは“クラフトスニーカー”。それも再評価の機運高まる日本のモノづくりに着目。職人の手仕事により生み出されるクオリティの高さと、我々日本人の足にフィットする仕上がりは間違いなく物欲を刺激する。そうそう、近頃は自分自身へ贈るご褒美チョコも当たり前だとか。なんて言い訳も用意したので、遠慮は無用。ぜひお手に取ってご覧あれ。

 

1. Hender Scheme「species」

スニーカー¥60,500/エンダースキーマ(スキマ 恵比寿)

テッキーなルックスと、足を包む快適なフィッティング

 クラフトという言葉が持つ“飾り気なく温かみのあるイメージ”を良い意味で裏切るのが、革靴や革小物などを得意とするエンダースキーマ。様々な名作モデルをヌメ革で製作したオマージュシリーズが中でも著名だが、この新作「スピーシーズ」も負けず劣らず面白い。

 脱ぎ履きしやすいモックスタイルに、撥水ベロアとソフトシュリンク、スムースという3種類のカウレザーで切り替えたアッパー、クッショニングに優れたヴィブラム社製ソールを取り合わせることで、近未来的かつテクニカルな佇まいに。もちろん履き心地の良さは語るに及ばず。履き口にダイビング用ウェットシューズにも用いられるクロロクレンゴムをあしらい、足を包み込むようなフィット感を実現。長時間の歩行でも快適さをキープする。