- お笑い集団・大川興業の総裁で、自らも政治経済ネタを得意とする芸人である大川豊氏。「現場の声」に突き動かされ、障がいを持つ人たちや施設職員、障がい者の働き方を考える企業との対話を1冊の本『大川総裁の福祉論!』(旬報社)にまとめた。
- 障がい者も健常者と同じく「あたりまえ」の存在。家族だけでなく、さまざまな専門機関と連携し、社会全体で支える必要もある。そのために、何が必要か。
- 本書から2回に分けて一部を抜粋する。後編の対談相手は、障がいを持つ人々を雇用し、全国60拠点、売上高17億円を誇る久遠チョコレート代表の夏目浩次氏。障がいを持つ・持たないにかかわらず、誰もが働きやすい職場とは?(JBpress)
前編:【大川総裁と野田聖子が語る福祉】「障がい者がお笑いをやって悪いか?」「障がいのある息子が私をブレない人間に」
大川豊氏(以下、敬称略):夏目さんと久遠チョコレートの取り組みは『チョコレートな人々』というドキュメンタリー映画にもなっています。今回は夏目さんに愛知県豊橋市にあるQUONチョコレート本店、QUONチョコレート&ドゥミセック、SDGsラボ、パウダーラボ、パウダーラボセカンドなど、豊橋市内の拠点を複数案内していただきました。
障がいのあるなしに関わらず、みなさん本当に楽しそうに働いていたのが印象的でした。今、久遠チョコレートは全国に何拠点ぐらいあるんでしょうか?
夏目浩次氏(以下、敬称略):全国に60拠点あります。働いてくれているスタッフは全体で約650人で、そのなかで障害者手帳や療育手帳を持たれている方は約300人います。手帳は持っていないけれども、いろんなことで暮らしにくさや悩みを抱えているスタッフも120人ぐらいいます。
大川:知的障がいがある方だけでなく、精神疾患があったり、引きこもりや不登校だったりする子たちも受け入れているんですね。
夏目:本当に色とりどりですね。子育て中のお母さん、介護をされている方など、時間的な制約を受ける方も多く働いてくれています。トランスジェンダーの方もいらっしゃいます。
僕らはとくに「障がい者」を力んで表に出したり隠したりすることはしていません。人間は多様で、人にはいろいろ凸凹があります。いろんな人がいて当然ですから、みんな一緒に働いて一流を目指していこうと考えています。