石川県・能登半島を中心にマグニチュード7.6の大地震が発生し、志賀町では最大震度7を記録、死者・行方不明者が増え続ける大きな被害を出している。
今回の地震を起こした震源断層の全長約150kmのうち、北陸電力が想定できていたのは3分の2だけで、残りは「想定外」だった。は電力業界による科学的な予測は、実力不足であることが再び露呈した。。
原発から排出される高レベル放射性廃棄物(「核のゴミ」)を地中深くに保管する「地層処分」を国内で進める動きは、本当に科学的に信頼できるのか。昨年11月に開かれたシンポジウムを取材した科学ジャーナリストの添田孝史氏の報告第二弾(JBpress編集部)。
「北海道新幹線と同じ岩盤」は地層処分の安全性を裏付ける根拠になるか
(科学ジャーナリスト:添田 孝史)
原子力発電所が排出する高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)を、地層処分出来るか、国内で初めての調査が進められている北海道神恵内村で、2023年11月25日に開かれたシンポジウム。地層処分を推進する原子力発電環境整備機構(NUMO)の兵藤英明・技術部部長と、反対する岡村聡・北海道教育大名誉教授が、それぞれ説明したあと、会場からの質問も受けて議論しました*1。
岡村 今の技術ではリスクがある。
NUMO 北海道新幹線は同じ岩盤にトンネルを掘っている。
岡村 それは10万年の耐久性に責任が持てるのか。
推進側と、それを懸念する研究者の考え方の違いがよりくっきり浮かびあがりました。
*1 NUMO 高レベル放射性廃棄物の文献調査に関するシンポジウム 2023年11月25日
開催結果(https://www.numo.or.jp/chisoushobun/survey_status/kamoenai/m_asset/20231219_kamoenai.pdf)
会議録(https://www.numo.or.jp/chisoushobun/survey_status/kamoenai/m_asset/kaigiroku_20231125_kamoenai.pdf)
当日の映像(https://www.youtube.com/watch?v=nC-mclz5bj8)
質疑の部分だけは取材に非公開だったので、そこは会議録をもとに記事を書いています。