開催危ぶまれる万博、これ以上のイメージ低下は絶対に避けたかった

 2023年11月の朝日新聞の世論調査では、万博の開催について「賛成」が45%、「反対」が46%。2018年の誘致時には1250億円とされていた会場建設費が、2023年10月に最大2350億円にまで膨れ上がったことが最大の理由だろう。

 さらに自見英子万博相(47)は同11月末、ほかにも日本館の建設費に360億円以内、発展途上国の出展支援に約240億円、警備費に約199億円、機運醸成の費用に38億円以上の支出が見込まれると説明した。いずれも国費だ。万博への国民感情はますます悪化した。

 そうでなくても建設作業員や資材の不足から、以前から中止や延期にすべきだとの声があった。また、大地震で同胞が苦しんでいる能登半島の復興を最優先すべきという世論も日に日に高まるばかり。松本が表舞台に立ち続けていたら、万博崩壊の引き金になる恐れすらあった。本人には酷かもしれないが、イメージの問題である。

2022年11月3日、オリックスの優勝パレード前に行われた「御堂筋ランウェイ」に登場したダウンタウンの松本人志さん(右)と浜田雅功さん。左は大阪市の松井一郎市長と大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」(写真:共同通信社)2022年11月3日、オリックスの優勝パレード前に行われた「御堂筋ランウェイ」に登場したダウンタウンの松本人志(右)と浜田雅功。左は大阪市の松井一郎市長と大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」(写真:共同通信社)

 大阪府の吉村洋文知事(48)は1月9日の記者会見で「(松本氏は)芸能活動を休止されるということですから、その間のアンバサダーは当然活動されないと思います」と発言。アンバサダー活動の停止が既定路線のような口ぶりだった。