松本人志ダウンタウンの松本人志(写真:共同通信社)

名誉棄損訴訟のために活動中止するタレントなんて前代未聞

 ダウンタウンの松本人志(60)が芸能活動を休止する。1月8日に所属先の吉本興業を通じて発表した。

 自身の性加害疑惑を報じた『週刊文春』を名誉棄損で提訴するため、その法廷闘争に専念する。2023年12月27日に発売された同誌1月4・11日合併号には「松本人志と恐怖の一夜『俺の子ども産めや!』」と題された記事が載った。衝撃的な内容だった。

 とはいえ、世間には「裁判なら仕事を続けながらでも出来るだろう」という声がかなりある。大手芸能プロダクション幹部も「名誉棄損訴訟のために活動を休止するタレントなんて前代未聞」と語る。しかし、松本の場合は事情が異なる。活動の継続は困難だった。

 相方の浜田雅功(60)と共に来年4月に開幕する「2025年大阪・関西万博」のアンバサダーを務めていることが大きい。誤解もあるようだが、万博は都市がやるものではなく、主催は万博協会。その義務を政府が保証している。名実ともに国家プロジェクトなのである。

 疑惑段階であろうが、早めに松本と万博を切り離さないと、万博のみならず日本のイメージまで損ねる可能性があった。そうでなくても万博は評判が悪いから、切実な問題だった。