森の育成からロボット製造まで有機的につながる可能性

 ほぼ1日かけて相模原市内の山間地から最先端物流施設までを視察した。

 今回のツアーには含まれなかったが、相模原はロボット製造の集積地でもあり、さがみはらロボットビジネス協議会の資料には52社が登録されている。戦前の「軍都」が、戦後は内陸型工業都市となり、今はロボット生産拠点の顔も併せ持つようになったのだ。橋本駅前ではリニア中央新幹線の駅建設が進む。

 プレスツアーで視察した自然豊かな山間地と、ロボットが活躍する物流施設では、一見180度違う世界のように思える。しかし、共通しているのは、人々の安全で快適な生活に直結していることだ。

 森林の管理・育成は、地域住民の生命に不可欠な水をもたらす「水源の森」を守る。地域材の活用は人々の暮らしと心を豊かにする。最先端の物流拠点は利用者の生活の利便性を高め、生活レベルの改善をもたらす。そしてロボット製造は作業効率を高める一方で、さまざまなリスクや負担を軽減する。すべてはSDGsに通じる。

 相模原市内にある山林や湖などの自然から生産拠点、物流拠点、そして今後誕生する新たな交通拠点までが有機的につながっていけば、すばらしい未来ビジョンが見えてくる可能性を感じた。今の子どもたちが大人になるころ、相模原を舞台にした壮大な世界が展開しているかもしれない。