地元の人に「頑張っている」と理解してもらう

鳥塚氏:そして過去の資料から2001年に自治体の首長が国との間でサインしている書類を見つけ出し「このような約束を交わされているではないですか?」と、聞き返してみたところ、それから私と市長はずっと喧嘩を続ける仲となりました。「なぜ今さらそんなことを蒸し返すのか。みんな忘れているのに。」といった感じです。この市長さんは、今はもう退任されていますが。

 当時、役所の課長さんの1人から「鳥塚さん、その資料をよく見つけましたね」と言われました(笑)。

──日本という国の地方行政というものが、そのような考え方で成り立っているということなのでしょうね。

鳥塚氏:観光急行を運転したり、「雪月花」を運転したり、「D51レールパーク」をやったりするのは、あんなに頑張っているんだということを地元の人に理解して頂き、コンセンサスを得て、えちごトキめき鉄道の維持管理のための仕組みづくりをするのは当然のことであると考える、その土壌作りであるわけです。

2016年から走らせているリゾート列車「えちごトキめきリゾート雪月花」

──今はプロ野球の球団が、本拠地を置く都市への密着を強く前面に打ち出し、集客のアップに成功しています。

鳥塚氏:鉄道だって同じですよ。本来的には鉄道というのは地元の人しか利用しない。