現在は立ち入りできない状態に
その後どうなったのか。次の写真は2021年11月に、現地で撮影したものだ。
函嶺洞門へ続いていた道路周辺は網のフェンスで囲まれていて、中に立ち入ることはできない。人も車も通らなくなった道路は、舗装を突き抜けて背の高い雑草が生えていた。
2015年からは、箱根駅伝の選手も新しいバイパスを走るようになった。コースが20m長くなったので、2014年以前の記録は参考記録扱いとなってしまったが、チェックポイントの場所と呼び名「函嶺洞門」はその後も引き継がれている。
今回の一般公開は、函嶺洞門の堂々とした佇まいを味わう絶好のチャンスだ。通行止めになってちょうど10年。その間にどれぐらいの経年変化があっただろうか? 機会があれば公開期間中に足を運んで確かめてほしい。
ところで、この一般公開は1回限りで終わってしまうのだろうか。
うれしいことに、そうではなさそうだ。公開初日の2日に現地に行って、実際の函嶺洞門を味わった。そこで聞いたことによると、まだ追加の補修工事が必要なのだが、継続的な公開も検討中だという。詳しくはこちら。
箱根駅伝選手たちだけが味わえた函嶺洞門、10年の眠りから覚め人々が行き交う
牧村あきこ
まきむら あきこ フォトライター。千葉大学薬学部卒。プログラミングなどIT系フィールドに長年籍を置き、当時は日経BP社月刊誌にて多くの記事を執筆。現在は廃線や水場を求めて現場取材を中心に行い、「Discover Doboku 日本の土木再発見」などに寄稿。コアな一人旅にフォーカスしたサイト「そろっぽ!」を運営中。
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