ディスカッションの途中でおやつタイム(写真:おおたとしまさ)

 

教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が、男子校で広がり始めた性教育とジェンダー教育の現場に迫る連載「ルポ・男子校の性教育」。第4回は桐朋中学校・高等学校を訪ねた。同系列の女子校生徒と性やジェンダーについて意見交換する。

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 東京都国立市にある桐朋中学校・高等学校は、自由で民主的な校風で知られる男子進学校だ。調布市には、同じ学校法人が運営する桐朋女子中学校・高等学校もある。それぞれ小学校が隣接しており、どちらも男女共学。小学校を卒業すると、男子は国立市の男子部へ、女子は調布市の女子部へ進学する。20年以上の歴史がある、男子部・女子部合同で行われる高2の家庭科授業を見学した。

(おおたとしまさ:教育ジャーナリスト)

 女子部から来た12人を、19人の男子部生徒が迎える。「彼らのテンションがいつもとはちょっと違う」と男子部教員がほほ笑む。男子部生徒が校内を案内すると、そこだけ共学校のような風景になる。びっくりした様子でそれを見る他学年の生徒たち……。

 男子部家庭科の中山めぐみさんが授業の趣旨と流れを説明する。全体での顔合わせを終えたら、4つのグループに分かれて、約1時間半のディスカッション。その後また全体で集まって、議論の結果を発表する。「飲み物と、おかしを用意してありますので、各グループで持っていってください」と中山さん。

 1学期のうちにそれぞれの学校で性やジェンダーに関する詳細な意識調査を行っており、その集計結果が2学期のはじめに共有されている。それをもとにそれぞれの家庭科の授業内で生徒たちが話し合い、合同で議論したい話題を絞り込んでこの日に臨んでいる。

女子部の生徒たちを教室に案内する男子部生徒たち(写真:おおたとしまさ)