第2部 2油種(北海ブレント・露ウラル原油)月次油価動静(2021年1月~23年10月)

 次に、2油種の月次油価推移を確認します(出所:北海ブレントは米EIA/ウラル原油は露財務省)。

 油価を確認すればすぐ分かることですが、ウクライナ侵攻後、露ウラル原油は下落しています。

 日系メディアでは「ウクライナ侵攻後油価上昇したので、ロシアの石油収入は拡大した」との報道も流れていました。

 ロシアの石油輸出金額が増えたのは事実ですが、ウラル原油の油価は下落しているのです。

 ではなぜロシアの石油輸出収入が増えたのかと申せば、前年比油価水準自体が底上げしたからです。

 昨年2月度の露ウラル原油(FOB)はバレル$92.2でした。以後今年3月までウラル原油の油価は下落傾向に入り、今年上半期(1~6月度)の平均油価は$52.2、1~10月度平均油価は$61.8になりました。

 なお、天然ガス価格は市場ごとに価格体系が異なりますので、ご参考までに下記します(出所:世銀)。