エピローグ/プーチン後継はプーチン

 プーチン大統領の任期は2024年5月7日までです。この日、ロシアには新大統領が誕生します。

 では、プーチン大統領の後任者は誰になるのでしょうか?

 プーチンは信頼置ける部下を大統領後継候補に指名するのでしょうか?

 この問題を占う重大事件が今年1月13日、隣国カザフスタンで発生しました。

 旧ソ連邦時代からカザフスタン共和国の独裁者であったN.ナザルバエフ大統領は2019年3月、退任の意向を発表。長女ダリガへの権力継承の中継ぎとして、自分に忠実な部下を大統領に引き立てました。

 側近を繋ぎの暫定大統領に引き上げる条件として、ナザルバエル大統領は側近のトカエフ氏に一族郎党の不逮捕特権を確認させました。

 ところが、トカエフ大統領が2019年6月誕生すると、ナザルバエル前大統領に残った権力も剝奪され、長女ダリガも権力の座から追放されてしまいました。

 そして今年1月13日、カザフスタンで大きな動きがありました。

 何と本人の名誉称号(「国父」)が剥奪され、家族の不逮捕特権も反故にされてしまいました。

 すなわち、今後ナザルバエル前大統領一族郎党の投獄もあり得るということになります。

 隣国カザフスタンの政治情勢を見て、プーチン大統領はますます権力の座にしがみ付くことになるでしょう。

 すなわち、権力の座から自ら降りることは死ぬまでないということになります。

 来年3月17日はロシア大統領選挙予定日にて、新大統領は5月7日に就任予定です。

 プーチン大統領が側近を後継候補に指名するや否や、プーチンはレームダックになります。

 ゆえにプーチン大統領にとり「プーチン後継はプーチン」以外の選択肢は存在せず、早晩立候補宣言して、死ぬまで権力の座にしがみ付いていることでしょう。

 その結果、ロシアの対中資源植民地化が進み、ロシアは大きな北朝鮮になる可能性大と予測します。