​​南アフリカで開かれたBRICSサミットを訪れた中国・習近平国家主席(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

  • 南アフリカで開催されたBRICS首脳会議(サミット)で、中国・習近平国家主席の弱々しい姿が目についた。
  • 中国国内では経済の低迷に加え、大洪水による被害、幹部や解放軍の人事混乱など、ここにきて習近平政権のほころびが一気に噴出し始めている。
  • 第3期目に入り圧倒的な権力を掌握している習近平だが、やる気と自信を失い始めているのか?

(福島香織:ジャーナリスト)

 中国では「躺平」(寝そべり)という態度が蔓延している。サボタージュ、何をやっても無駄、報われない、という無気力の姿勢を意味するキーワードで、数年前から流行語化している。何か不条理な状況にあったとき、抗議などをすると、挑発罪、社会擾乱罪、ひどい場合は国家政権転覆煽動罪などで逮捕される可能性があるので、自分の身を守るためには何もしない、抵抗もしないのが一番、という処世術ともいえる。

 何もしないこと自体が、一つの抵抗のアクションという見方もある。だが、8月に入って、習近平自身が「躺平」している、というもっぱらの評判だ。北京、河北、東北の大洪水対策にも存在感を示さず※1、北戴河会議での動静も不明だった。およそ3週間メディアの前に姿を現さず、3週間ぶりにメディアに登場した、南アフリカ国事訪問とBRICS首脳会議出席という外交ニュースにおいても、どこか弱々しく精彩を欠いている。

※1:中国の大洪水についてはJBpressの以下の記事をご覧ください
北京を守るのに地方100万人を犠牲に、大洪水で露見した中国の非人道的な治水
中国・北京の大洪水は「人災」、治水失敗の皇帝・習近平は天から見放された?

 一説によると、この数週間、習近平は誰にも会いたくない、と部屋にこもりがちで、なにもしない「躺平」を決め込んでいたという。党と国家の最高権力者にして独裁者、頂点を極めた我が世の春のはずの習近平が「躺平」とは、これいかに? 習近平に何が起きているのか。