独裁的な権力者が無気力に陥る怖さ

 いわゆる「小道消息」(うわさ話)の類でしかない話なのだが、3週間ほど習近平の動静が不明で、3週間ぶりにメディアを通じて見せた習近平があまりに、憔悴し、落ち着きがなく、心細げだったので、このうわさ話が妙に説得力が感じられるようになった。

 大洪水で適切な対応ができなかったのも、不動産市場が救済できなかったのも、経済指標が軒並み悪化したのも、外資が中国から逃げ出したのも、自分が目をかけて期待していた外相や軍幹部が失脚したのも、それは、習近平自身が他人の意見に耳を貸さず、自分を批判する意見をいう官僚を粛清する恐怖政治を行ったからだろう。習近平が今、苦しんでいるとしたら自業自得というものだ。

 そういう状況で、唯一無二の独裁者が、突如、あらゆる問題の匙を投げたら、中国は一体どうなるのか。これは、これまで何度となく語られてきた「中国崩壊論」とはレベルの違う危機となり、世界の経済や社会の安定にも波及しかねないのではないか。

「躺平主義」を望むなら、まずは権力の座からおりてから、ゆっくり休息していただきたい。