ケニア沿岸の都市モンバサで海底ケーブルを敷設する様子。*本文と直接の関係はありません(写真:ロイター/アフロ)

(山田敏弘・国際ジャーナリスト)

 2023年6月23日、太平洋戦争で犠牲になった20万人以上を追悼する「沖縄全戦没者追悼式」が開催された沖縄。琉球新報によれば、玉城デニー知事は「昨年12月に閣議決定された安保関連3文書について『沖縄における防衛力強化に関連する記述が多数見られることなど、苛烈な地上戦の記憶と相まって、県民の間に大きな不安を生じさせており、対話による平和外交が求められている』と指摘した」と報じている。

(参考:琉球新報<玉城デニー知事「独自の地域外交で平和構築に貢献」 沖縄全戦没者追悼式で平和宣言>

 そんな沖縄から、対話による外交を続けている日本政府にとっても看過できないとんでもない大ニュースが、ひっそりと報じられている。

海底の光ケーブルに盗聴装置

 沖縄の米軍基地内で読まれている英字週刊誌「This Week on Okinawa」に掲載された記事によれば、沖縄の周辺の海底を通って、インターネットの通信を運んでいる光ケーブルに、中国が設置したと見られる盗聴装置が発見されたというのである。

 実は、サイバーセキュリティ専門家らの間では、長く海底ケーブルの安全性が大きなトピックになってきた。その観点から見ても、このニュースは大変なスクープ記事だと言っていい。

 もともと筆者が「This Week on Okinawa」の最新号に掲載されているこの記事の存在を知ったのは、「The News Lens」という台湾系ウェブメディアの記事だった。「This Week on Okinawa」は沖縄の米軍基地内でしか手に入らないものだが、今回、特別に雑誌を入手することができた。記事の内容をみると、状況は深刻であることがわかる。