となれば、エンゼルスのアート・モレノ・オーナーは「プレーオフスポット(ポストシーズン進出)を争っている間はオオタニをトレードに出すことはない」と断言しているものの、8月1日のトレード期限を前にチームが急失速し“終戦”となれば大谷の去就問題はどうしてもヒートアップしそうだ。
だが、その一方でエンゼルス地元の米有力紙「ロサンゼルス・タイムズ」が6月10日に配信した電子版記事で、エンゼルスが8月1日のデッドラインを前にポストシーズン進出を仮に果たせなかったとしても大谷をトレードで他球団に放出することはない見通しであると伝え、MLB関係者の間にも波紋が広がっている。
記事では球団フロントの方針について有力者が代弁する形で、大谷との長期契約締結を望んでいるエンゼルス側はギリギリの段階まで再契約の可能性を模索するつもりであり、それを早い段階で完全に消滅させてしまうトレードに動くことはないとのニュアンスで説明されている。有力紙「ロサンゼルス・タイムズ」が報じた内容だけに信ぴょう性と説得力は確かに高い。
ちなみに大谷の今夏トレードに関してはこの「ロサンゼルス・タイムズ」と同様に複数のMLB敏腕ビートライターが否定的な見解を示す一方で、「何が起こるか分からない」とし、その可能性に含みを残すスタンスを取り続けている米メディアもいくつかある。
そのトレード先の候補としてここ最近、数多の米メディアで話題として取り上げられているのがニューヨーク・メッツだ。
もしもエンゼルスが失速すると
米経済紙「フォーブス」で常連の資産家スティーブ・コーエン氏がオーナーに就いていることで莫大な資金力がある上、チーム内には他球団から羨望の眼差しを送られる「トップ100プロスペクト」の若手野手有望株が複数名所属している点でも大谷と最低2選手以上の大型トレードを成立させやすいとする見解もある。

メッツは11日現在で31勝35敗の借金5でナ・リーグ東地区4位。同地区首位のアトランタ・ブレーブスに9.5ゲーム差と引き離されているが、WC争いでは圏内3位のミルウォーキー・ブルワーズを3ゲーム差で追っている。ポストシーズン進出を狙う上でチームが置かれている状況はエンゼルスと貯金と借金の違いこそあれども余り大きな差はない。