以前、筆者が住んでいた米東部バージニア州の州都リッチモンド市に、Jサージェント・レイノルズ・コミュニティー・カレッジという大学がある。学生数は現在約7800人で、前年比で9%増えた。

 逆に同校は2011年から2021年にかけては学生数が減り、10年間で46%も縮小した。

 学校側はコロナ禍で中退していった学生を復学させる努力をするとともに、経済的な支援策を打ち出している。

 コロナ禍で大学に来なくなった学生は約400人いたが、学校側はそれぞれに連絡をとり、説得して復学させる努力をした。

 また低所得者やマイノリティーで中退した学生にも個別に声をかけた。

 さらに「サマーブリッジコース」といって、高校3年生に対して夏休みの3週間、1日5時間の特別授業を設けて数学や英語に自信をつけさせる試みも行った。

 そして現役の学生に教授との交流をもたせて大学進学へと導いた。

 またデュアル・エンロールメント(高校と大学の授業を同時に受けること)を実施することで、大学により進学しやすい状況をつくることにも成功した。

 さらに授業料を4年制の大学の3分1程度に抑えていることで、「授業料が高くて支払えない」という理由による進学辞退を極力少なくする努力をした。

 ただコロナの影響により、オンラインだけで授業を受ける学生が増えたことは否めない。

 2019年時、直接授業に参加していた学生は71%だったが、いまは38%にまで落ちている。

 それでも、今後はいままで以上に多くの学生が様々なオプションを選択できるようになってきたことは喜ばしいことだ。

 その中でコミカレに進学するというのは米国での新たなトレンドと言えるかもしれない。