メーデー休暇で長蛇の列が続く上海駅(筆者撮影)

(加藤勇樹:中国広東省在住コンサルタント)

 2023年5月初め、日本のゴールデンウィークとほぼ同じ時期に、中国も労働節休暇(メーデー休暇)という5連休でした。新型コロナウイルスの流行が収まったあとの本格的な長期休暇であったため、ものすごい数の人々が旅行に出かけました。筆者は中国で8年間生活してきましたが、私から見てもすさまじい盛り上がりを感じました。

敦煌市の砂漠における観光ラクダツアーの大渋滞(写真は筆者友人提供)

 高速鉄道をはじめとする交通機関はパンク寸前まで稼働しており、ホテルや民宿はオフシーズンの2倍から3倍の価格でも予約がほぼ埋まっている状況でした。

 上海で最大の乗降客数がある虹橋高速鉄道駅では、列車の切符がすべて売り切れました。

メーデー休暇初日朝6時の上海虹橋駅では、入場するのに20分以上待たされる混雑ぶりだった

 中国のレジャー産業の振興管理を担う省庁「文化和旅游部」によると、中国国内での旅行客数は2.7億人。2022年と比較して70%超の増加であり、コロナ以前の2019年と比較でも20%と伸びました(2023年“五一”假期文化和旅游市场情况)。