海自哨戒機へのレーダー照射問題をいかに解決するか
不安定要素が増している安全保障面では、日韓、さらには日米韓の協力体制が不可欠だ。
そこで5月19日から開かれるG7サミットに併せて開催される日米韓首脳会議では、北朝鮮の核開発に対する3カ国の連携強化が話し合われる予定だ。
さらに6月2~4日に開かれるアジア安全保障会議(シンガポール)に併せて、日韓の防衛・国防相会議も開かれる予定になっている。この場での主要議題の一つが日韓両国のレーダーシステムを米国経由で連結し、ミサイル関連情報を即時共有し、早期に運用開始を目指すことである。また、日米韓の軍事演習の強化についても話し合われよう。
ただ、防衛当局間の信頼関係回復のため障害となっているのが、2018年12月20日の、韓国海軍の艦艇による日本の海上自衛隊機への火器管制レーダー照射事件である。
日本側は証拠として哨戒機から撮影した映像を公開したのに対し、韓国側はレーダーの照射は認めていない。双方の主張は平行線をたどり、防衛・国防当局間の交流も途絶えたままだ。
日本の防衛当局は、韓国国防部に対して、この問題の事実認識の確認や再発防止措置なしに協力することには慎重である。その理屈はよくわかる。ただ、この事件は文在寅政権の下で起きた事件である。文在寅政権時代の反日意識が起こした事件として解決することはできないのだろうか。関係者の努力に期待したい。