2023年5月10日で韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル=1960年生)政権が発足してから1年だ。
この間、予想通り「経済」では悪戦苦闘が続いた。
厳しい指標も多いが、大統領はトップセールスや年金改革などへの強い意欲を見せる。総選挙を1年後に控え、経済を反転させられるのか。
就任から1年が経過したが、世論の支持率はなかなか高まらない。
経済はダメが合格点の2倍
聯合ニュースと聯合TVが世論調査会社を通して共同で実施した世論調査が9日に公表された。
大統領の国政運営について評価するかどうかを聞いた調査だ。肯定的な回答が37.5%、否定的な回答が60%だった。
大統領支持率37%、不支持率60%と韓国メディアは報じている。
政策別にみると、経済については、「肯定評価」が32.0%、「否定評価」が63.5%だった。
「たくさんある世論調査をどう読めばいいか難しい。それでも経済については、合格点とは言い難い」
経済については、ダメが合格の2倍近くに達した。このことについて、政権に好意的な保守系の大手紙デスクもこう答えた。
「厳しい指標が多い」。このデスクはため息をつく。
IMF(国際通貨基金)が3か月ごとに発表している主要国の経済成長率予測。2023年の経済成長率について、2022年4月の時点では2.9%と見ていたが、その後4回続けて下方修正し2023年4月時点では1.5%になった。
韓国の経済成長率は新型コロナウイルス感染症の流行が始まった2020年には0.7%だったが、2021年4.1%、2022年2.6%だった。
2023年は再び一気に成長率が低下する。
歴代大統領の就任から1年後の経済成長率は、リーマンショックの影響で0.8%になった李明博(イ・ミョンパク=1941年生)政権以来の低さになった。
金融機関やシンクタンクの予測の中には「2023年はマイナス成長」というのもある。