5月3日、ケニアを訪問し、ウィリアム・ルト大統領と会談した岸田首相(写真:AP/アフロ)

「当時、厳しい環境で多数の方々が大変苦しい、悲しい思いをされたことに、心が痛む思いです」

「未来に向けて韓国と協力していくことが、日本の総理大臣としての自らの責務です」

 5月7日から8日、ソウルで尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領との「シャトル外交」を行った岸田文雄首相は、日韓および日米韓の連携をアピール。19日からの広島G7(主要先進国)サミットを前に、自らの外交成果を印象付けた格好だ。

 このパフォーマンスによって、すっかり忘れ去られてしまったかのようだが、岸田首相のGW外交には、「前半」があった。すなわち、4月29日から5月5日までのアフリカ4カ国(エジプト・ガーナ・ケニア・モザンビーク)歴訪である。

アフリカ歴訪の狙いは「中国対策」

 大事なサミット前に、遠くアフリカまで足を延ばした最大の理由は、「中国対策」である。アフリカに大きな影響力を持つ中国を、「アジア唯一のG7参加国」として牽制しようという狙いだ。

 だが、その思惑は成功したのだろうか? 以下、4カ国について検証してみたい。