もちろん、オンラインゲームそれ自体が悪いわけではない。しかし、依存傾向が見られるほどのめり込んでしまうと、こういったトラブルに巻き込まれるリスクも高くなる。ましてや小中学生であれば、犯罪と気づかぬ間に加担してしまう可能性もあるため、オンラインで知り合った相手とは、過度に「親密」な感情を抱かず、適切な距離感を保って遊ぶべきだろう。

なぜ、特殊詐欺は割に合わないことが若者に伝わらないのか

 コロナ以前から、かれこれ5、6年ほど「特殊詐欺の受け子や出し子が割に合わない」というニュースが繰り返し流されてきた。それでも、闇バイトの特殊詐欺に応募する若者が減らない。なぜなのか――と疑問に思う読者諸氏も多いと思う。

 筆者の経験則に照らすと、その理由は、若者が日々のニュースに接しないからだと考える。「ネットニュースくらい読むだろう」というのは、慣習的職業社会に生きる「真っ当な」大人の勘違い。彼らは、ゲームやYouTubeを視聴することに忙しく、ニュースなど読んでいる暇も見ている余裕もないのである。

 実際に、今年に入って、筆者が担当する大学の講義(受講生90名)で、新聞を読む者、ネットニュースを読む者を尋ねたところ、前者は0名、後者は1名であった。

 だから、闇バイトの実行犯に対して、いくら極刑をもって臨んでも、闇バイト応募者が減るとは考え難いのだ。