4月にYCCの修正予告、6月に着手か

 金融政策が今と不変であったとしても、2023年は欧米経済の失速に合わせて日本経済もある程度の失速は不可避というのが大勢の見方に近いと思われる。4月会合で無用なタカ派イメージを植え付けてしまうと、今後の成長率低迷を植田新体制に帰責するような無理筋な議論が幅を利かせる可能性がある。そうなると、今後の政策運営環境が無駄に窮屈になる恐れはあるだろう。

 市場期待と対峙して機先を制することに執心した前体制と異なり、新体制では対話が重んじられる見通しである。YCCに何らかの修正が施されるにしても、事前の情報発信を怠ることはないだろう。

 その意味で、初会合となる4月に予告、6月に着手というのがYCC修正のスケジュールとして現時点では濃厚ではないだろうか。こうした漸進主義的な修正であれば、それだけでドル/円相場の潮流が反転するような可能性は低いように思える。

 あくまでも年内は米国の利下げ転換がないということを前提にするのであれば、せいぜい127~128円までを下値目途と見ておきたい。

※寄稿はあくまで個人的見解であり、所属組織とは無関係です。また、2023年4月7日時点の分析です