副業に精を出す人の中でせどりは人気の商売(写真:アフロ)

「あれ、こんなところでおじさんが働いてる……」

 近年、非正規労働の現場で、しばしば「おじさん」を見かける。しかも、いわゆるホワイトカラーの会社員が、派遣やアルバイトをしているケースが目につくのだ。45歳定年制、ジョブ型雇用、そしてコロナ。人生100年時代、中高年男性を取り巻く雇用状況が厳しさを増す中、副業を始めるおじさんたちの、逞しくもどこか哀愁漂う姿をリポートする。

(若月 澪子:フリーライター)

せどりが人気、「せどり」って何?

 ようやくコロナに終わりが見えてきたというのに、今度は物価高という過酷な日常がわれわれを翻弄している。そのため、少しでも財布の足しにしようと、副業に動き出す人も増えている。中でもせどりが人気だという。

 せどりとは、「商品を安く仕入れ、手数料を上乗せして販売し、その利益を得る」という商売の鉄則そのままの行為だ。メルカリで安い古本を大量に購入し、それをキレイに梱包して、アマゾンで売りさばくのもせどりにあたる。

 せどりには、常に怪しいイメージが付きまとう。しかし、警察に「古物商許可申請」を届け出て1万9000円を支払い、酒やコピー商品などを扱わない、高額転売をしない等のルールを守れば、カタギの商売である。

 ネットがあれば個人が気軽にせどりに挑戦できるため、「セドラー」はここ数年で急増している。「せどり副業で月10万稼ぐ」などの文句が踊るハウツー本も山のように出版され、YouTubeでは経験者が解説をするなど、ノウハウの布教も盛んだ。

 では、せどりを副業にしている人は、本当に稼げているのだろうか。