2019年統一地方選での東京・中野区議選のポスター掲示板。今年の統一選は4月9日、23日が投票日の予定だ(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 自民党ネット選挙の実働部隊として、大小さまざまな選挙戦で陣営を支えてきた現・板橋区議会議長の坂本東生(さかもと・あずまお)氏。インタビュー前編「何がバズり、叩かれ、票になるのか、選挙のプロが語るネット選挙解禁後の10年」で坂本氏は、この10年で培ったネット選挙のノウハウを明かした。

 自身は44歳。今春の選挙には立候補せず、4期務めた区議からは引退するという。これまで見てきた議員たちや、地方政治家を経たのちのキャリアについて、坂本氏に聞いた。(聞き手:篠原匡、河合達郎)

※1回目「何がバズり、叩かれ、票になるのか、選挙のプロが語るネット選挙解禁後の10年」から読む

現職区長に挑む女性たち

──統一地方選が迫っています。今回の特徴や注目点はどこにありますか。

坂本東生氏(以下、坂本氏):現在、私は東京23区を中心に20人超の立候補予定者をサポートしています。

 選挙の得票数は「知名度×共感度」で決まると話しましたが、ローカルな選挙ほど共感度が結果を大きく左右します。「自民党は嫌いだけど、あんたの活動は認めるから投票するよ」という場合も、そのまた逆の場合もあります。地方選は手堅さが求められる選挙です。

 今回の特徴でいえば、都心部で候補者が急増しそうだということです。私が拠点とする板橋も、現状では、立候補者が過去最多となりそうです。

 特に女性の立候補予定者が目立っています。板橋区長選には30代の女性区議が無所属で立候補することを表明しました。江東区では自民党の元衆院議員が、北区では都議と区議の2人の女性が、それぞれ現職知事に挑む意向を示しています。

 昨年、杉並区と品川区で女性区長が相次いで誕生しました。このことが女性の挑戦を後押しする一つの契機になっているのではないでしょうか。

──一方で、坂本さん自身は区議を退くことを表明しました。28歳から連続4期16年、現在は区議会議長も務めています。44歳で引退するのはなぜですか。