2019年の統一地方選挙時の街頭演説風景(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 統一地方選挙が告示された。咲き誇る桜鑑賞目当てに人が視覚的ににぎやかになったまちに、縦横無尽に選挙カーが行き交い、耳にも騒がしくなる。

 そして、何かにつけて質問攻めにしてくる子どもたちの質問がさらに増える。

「そういうもんだから」の思い込みをつく子どもたちの素朴なギモン

 車のスピーカーから聞こえてくるウグイス嬢の連呼に、「どうしてうるさい車が増えたん」「どうしてマイクの声って女の人ばっかりなん」。自分たちが通う小学校の校門脇に取り付けられた選挙ポスターの掲示板にずらりと並んだ、ほぼ男性候補者たちばかりの写真の数々に、「この人たち何する人なん」「どうしておじさんばっかりなん」。

広島市内では、選挙PRをする恒例の花電車が快走中

「どうして言われたって、そんなもんだから」。ついついそう答えたくなる自分がいる。

 事実、長く新聞記者として働き、定期的に何かしらの形で選挙報道に携わってくる中で、そういうもんだ、と飼い慣らされてきた部分が大いにあるのだ。告示(公示)日につくる紙面、投開票日の紙面、そしてその間の紙面、立ち回り方、いずれをとっても毎年パターン化している。