岸田文雄首相(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 初春の候、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。

 年末年始、いかが過ごされましたか。年末は、石川県産ブリやカニに舌鼓を打たれている様子をニュースで拝見しました。また、安保3文書閣議決定の晩には、松阪牛に福島県産の日本酒を召し上がられ、「おかげさまで年を越せそうだ」と満足げに語られたとの報道もありました。平和国家・日本の安全保障政策の大転換を大胆に成し遂げられた直後の宴席、さぞかし楽しい時間を過ごされたのではないかと、お察し申し上げます。

 岸田さんの地盤である広島1区の有権者の一人として、一言ご挨拶申し上げたく存じます。

「戦争は我欲と我心によって引き起こされる」

 今日は1月6日、2023年で最初の6日、広島原爆の月命日です。わたしは、毎月6日の朝には、わたしの住む広島1区にある平和記念公園の片隅にひっそり佇む土饅頭に来て手を合わせています。土饅頭は、「広島出身」の岸田さんであればよくよくご存知かと思いますが、アメリカ軍が投下した核兵器によって命を奪われ、今でも引き取り手のない約7万柱の遺骨を納めた原爆供養塔のことです。

 ここに来るたびわたしは、この人たちにとってまだ戦争は終わっていないんだ、との認識を新たにします。24時間365日考え続けることは不可能だけど、せめて月1回は心に刻まなければと思い、この場所に通い続けています。

広島の平和記念公園の一隅にある原爆供養塔、通称「土饅頭」(筆者撮影)