この2、3年、不定期に脳内でヘビーローテーションしている歌詞がある。
「ルールと正しさの意味 わからないまま従えない」
1988年、わたしが小学6年生だったころに流行った、TM NETWORKの「Seven Days War」の中のワンフレーズ。この楽曲が主題歌となった同年公開の映画「ぼくらの七日間戦争」は、規律が厳しい中学校の生徒たちが、教師をはじめとする大人たちに抗うストーリーで、宮沢りえの俳優デビュー作としても知られる。
同世代かそれよりちょっと上の人たちなら、サビも含めてソラで口ずさめる曲なのではないだろうか。歳を重ねるにつれ、歌詞が描く世界が見えてきたなあ、と感じてきた。
「すべてに背くのではなく 自分で選びたいだけ」という部分も、しみじみ染みる。
なぜこの歳になって、昔のJ-popの歌詞がぐるぐる脳内を回っているのか。それこそ、わからないまま、というか深く考えないまま、従っている、あるいは従わされていることのあまりの多さに、しばしばはっと気づかされるからだ。
郷に入っては郷に従え?
その大きな原因は、言うまでもなく新型コロナウイルス。例えば、もはや体の一部になってしまっているマスクに関して、いろんなモヤりがこの間ずっとある。
カタールで開かれているサッカーW杯では、日本人サポーターたちが一様にマスクをしていない映像がテレビに映し出される。観客席は、わりと密な光景。まちがいなくマスクは携行しているだろうに、現地の人や他国のサポーターがつけていないからという理由でつけていないのだろうか。なぜ、マスクをしている人としていない人が半々ぐらいでまばらになる、というような光景は見られないのだろう。
あのサポーターたちは、おそらくまちがいなく、日本に帰国したら一斉にマスクをつける。容易に想像がつく展開だ。ちなみに、カタールの感染状況は、人口あたりの感染者数は日本と同程度、人口あたりの死者数は日本を上回っている。
シンプルに「郷に入っては郷に従え」を実践しているだけ?
でも、マスクの役割とか着用する理由って、「郷」によって違うものなのだろうか。