おわりに

 攻撃者を特定・起訴するためには「脅威インテリジェンス」が重要であると前述したが、攻撃者の意図と能力などを知ることはインテリジェンス機関の仕事である。

 諸外国では、インテリジェンス活動は政府の通常の機能の一つであると考えられている。

 そして、行政機関の一つとしてインテリジェンス組織を保有し、国内外において公然・非公然のインテリジェンス活動(諜報、謀略、宣伝等)を行っている。

 一方、日本には真の意味のインテリジェンス機関は存在しない。

 将来にわたり我が国に対するサイバー攻撃から国民の安全を確保するために、犯罪行為としてのサイバー攻撃から、日本の国家安全保障にかかわるサイバー攻撃までを一元的に管轄するインテリジェンス体制の整備が喫緊の課題である。