三浦瑠麗氏(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

(舛添 要一:国際政治学者)

 最近は日本の衰退を示すニュースが多く、うんざりするが、事実なので仕方がない。なぜこうなったのか。

日本の生産性が低下

 三菱重工業が国産ジェット旅客機の開発を断念した。またH3ロケットの打ち上げも失敗した。ものづくりが得意な日本の凋落を物語るエピソードである。

「一人当たり名目GDP」では、まだ日本が韓国よりも上だが、「一人当たり購買力平価GDP」では2019年には韓国に追い抜かれている。しかし、前者の数字も、IMFの2022年10月の推計によると、2022年には日本が3万4358ドル、韓国が3万3591ドルと僅差であり、韓国に追い抜かれるのは時間の問題である。

 そうなったのは、日本の生産性が伸びていないからである。日本の労働生産性はG7で最低なのである。

 日本生産性本部の『労働生産性の国際比較2022』によると、日本の(1)時間当たり労働生産性は49.9ドルで、OECD加盟38カ国中27位、(2)一人当たり労働生産性は81,510ドルで、OECD加盟38カ国中29位、(3)製造業の労働生産性は92,993ドルで、OECD主要35加盟国中18位である。

 スイスのビジネススクールIMDの「2022年世界競争力ランキング」によると、日本は前年から順位を3つ下げ、34位と過去最低になった。10位までの順位は、(1)デンマーク、(2)スイス、(3)シンガポール、(4)スウェーデン、(5)香港、(6)オランダ、(7)台湾、(8)フィンランド、(9)ノルウェー、(10)アメリカである。中国は17位、韓国は27位である。中国や韓国にも及ばない日本の惨状である。