3月20日、モスクワのヴヌーコヴォ空港に到着した習近平主席(写真:Russian Look/アフロ)

(舛添 要一:国際政治学者)

 岸田首相は、インド訪問の帰路、3月21日、ウクライナを電撃訪問した。これで、G7の首脳の中で唯一ウクライナに足を踏み入れていないという「汚名」を返上することができた。

 しかし、日本国内ではWBCでの日本の活躍に話題が集中し、日本チームの活躍のほうに国民の関心は向いた。

 また、モスクワでは中露首脳会談が開かれており、世界の注目はこちらに集まってしまった。

やっと面目が保てた岸田首相

 岸田首相は、ゼレンスキー大統領と首脳会談を行い、今後とも支援を継続することを約束した。今回は、殺傷能力のない装備品支援に3000万ドル(約40億円)、エネルギー分野などに無償支援4億7000万ドル(約620億円)を拠出することを伝えた。

 今回の支援を加えると、日本は既に76億ドル(約1兆円)の支援を行っている。対空システムや戦車などの武器支援と比べて目立たないが、アメリカのこれまでの武器支援総額の約298億ドル(約4兆円)と比較しても、大きく評価できる貢献である。