(国際ジャーナリスト・木村正人)
プーチンと愛人カバエワが大喧嘩?
[ロンドン]暗号化メッセージアプリ「テレグラム」の匿名チャンネル「対外情報局(SVR)の将軍」は3月1、2の両日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(70)が愛人のアテネ五輪金メダリストの元新体操選手アリーナ・カバエワ(39)と口論になったと書き込んだ。プーチンはカバエワをこう罵ったという。
「お前の周りにいる非常にバカな友だちがあらゆる場所で、知っていることも知らないことも洗いざらい話しているから、こんな記事が表にでるんだ」
問題になったのはロシアの独立系メディア「プロジェクト」の調査報道(2月28日)だ。プーチンとカバエワらインナーサークルの蓄財ぶりが詳細に報じられた。プロジェクトはロシア当局の監視下にある。
「SVRの将軍」によると、プーチンはカバエワの交友関係から漏れたと大声を出した。カバエワは言い返したものの最後には泣き出し、プーチンの激情も収まった。プーチンの怒りは心臓発作や脳卒中を起こすどころの騒ぎではなかった。プーチンの健康状態は最近好ましくなく、激しい吐き気と頭痛のため食事を抜くほどだとまことしやかに綴っている。
「SVRの将軍」は2020年9月に開設され、登録読者は38万5000人に近い。チャンネル主宰者は海外で暮らすSVRの退役将官「ビクトール・ミハイロビッチ」とされ、信頼できる政府筋を情報源にしているという触れ込みだ。しかし真相は分からない。プーチンとカバエワの大喧嘩も真偽不明だが、プロジェクトのスクープの信頼度は高い。