そのことが学生たちが就職先に求める条件ということになりますから、コンサルティングファームもそれに応えるように、「コンサルティングファームに入れば、スキルが上がります。市場価値が上がります」と訴えます。それらの相互作用で、スキル向上というコンサルティングファームの魅力が強化されているとも言えます。
単に訴えているだけではありません。実際に、コンサルティングファームに入れば、市場価値に直結するスキルが、一般事業会社にいるのとは桁違いのスピードで上がります。なぜなら、教育への投資規模が違うからです。その額、約13倍。入社から3年間の累計で、事業会社の大体13倍の教育投資(時間と予算の投入)が行われています。
量だけではありません。質も違います。ざっくり言うと、実践とフィードバックの仕組みが体系的に整えられ、徹底的に繰り返される、ということでしょうか。実務と乖離した座学と現場頼みのOJTが中心の、多くの事業会社の研修との大きな違いです。
それはまさに、給料をもらいながらビジネスが学べるビジネススクールです。
「アメリカのビジネススクールに2年行ってMBAをとるのに、だいたい2500万円かかるが、コンサルティングファームに入ると、その内容を、給料をもらいながら半年で学べる」と言われるゆえんです。
ビジネススキルに限らず、勉強はお金をもらってやるのが一番身につきます。趣味でブログを書いても、そんなにスキルは上がりませんが、印税や原稿料をもらって、つまり読者からお金をもらって本を書くとなると、真剣度が違う。スキル向上には、外からのプレッシャーが有効に作用します。