1機でも保存して今後に向けた教訓に
国、三菱重工のほかに宇宙航空研究開発機構(JAXA)の応援も得て進められてきた一大国家的プロジェクトである。将来、国を挙げて再び日の丸ジェットに挑戦するならば、機体を国の責任で保存し、今後の研究材料にすべきではなかろうか。
4機の試験機のうち最低でも1機は保存し、コクピットの内部はもちろん、燃費の良さを売り物にしていた米プラット&ホイットニー(P&W)社製のギヤードファンエンジンも手にとれるようにして、関心のある研究者やメディアに公開することが必要と思うがいかがであろうか?
写真や映像だけでなく実物でスペースジェットを残し、機体、エンジンなど全てを公開して、そこから何らかの教訓を得られるように国民全体の共有財産にするべきであろう。
「国家プロジェクト」である以上、必要な情報は開示し、記録は残すのが関係者の責任のはずだ。
初飛行の時に多くのメディアが取材していたが、三菱重工はコクピットの中を取材させなかった。すでに初飛行も終えて、隠す理由はないのにコクピットのドアを一切開けることはなく、メディアからブーイングが起きたという。
コクピットの中で目にする自動操縦装置や飛行管理装置(FMS)、計器類などは、ほかの航空機にも使われているものと同じものであり、いまさら隠す必要もなかったはずだ。にもかかわらず、メディアの記者にコクピットを見せないという秘密主義に批判も出ていた。