鉄道の収支の前に手をつけるべきこと

──年間2000万円の赤字というのは、微々たるものと解釈して良いのですか？

鳥塚氏：年間40万人が、いすみ鉄道を利用するようになりました。町の中には、年間で40万人の人が利用する施設があります。例えば、公会堂であり、図書館です。

　では、そのような施設を維持するために、年間でどれくらいの費用がかかっていますか？　そう考えるならば、2000万円というのは、これは経営者が言う台詞ではないのですが、大したことないわけです。

　いすみ市であれば、3つの町が合併したことによって誕生した市ですから、公民館が3つあって、商工会館が3つあって、役場の跡も3つあって、それは支所の形で残されている。でも、本当にそれで良いのか、それをきちんと整理することが、鉄道の収支を話題にする前に手をつけなければならないことではないだろうか？　私はそう考えます。

（中編に続く）