景気先行指標の海運指数は86%も下落
例えば、景気の先行指標と目されるバルチック海運指数は、21年10月の週足ピーク(5650ポイント)から直近(763ポイント)まで86%も下落しています。そして株価(S&P500株価指数)はその海運指数に2カ月半(11週)遅れて反応してきました(図1)。
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あるいは米国全体の企業収益(前年比)は、米連邦準備制度理事会(FRB)の総資産(前年比)に6四半期(1年半)遅れて連動しています(図2)。FRBの量的引き締め(QT)姿勢はまだ当分、続きそうなので、企業収益は今後、かなり鈍化するでしょう。これも不況の徴候です。
さらに嫌な雰囲気が漂うのは、米国のマネーストックM2が急低下し、昨年11月はついに前年比マイナスとなったことです(図3)。1990年代前半の日本もマネーストックが前年を割り込んだことがありましたが、その後、深刻な不況で苦しんだのは周知の通りです。米国ほどではありませんが、日本やユーロ圏のマネーストックM2もやはり伸び率が鈍化しています。