●4月27日夕方、マンハッタンの23丁目の5番街付近を母親と一緒に歩行していた10歳未満の日本人の男の子が、前方から歩いてきたビジネスマン風の男に突然無言で顔を蹴られ、転倒して手を負傷した。男はそのまま立ち去った。
●5月3日夜、28丁目と5番街の交差点で横断歩道を渡っていた日本人女性が、背後から来た男に突き飛ばされ、路上に駐車していた車に激突して負傷した。

 こうした事件は、一見普通に見える人物による突然の暴力であるだけに防御が難しく、いつ、どこで遭遇するかわからない。

トランプの「武漢ウイルス」連呼が呼び込んだアジア人への差別感情

 在ニューヨーク日本総領事館は、米国在住の日本人に向けて情報発信し、「常に複数の人数で行動する」「危険な場所を避けて、遠回りでもより安全な道を選ぶ」「夜間の外出や人通りの少ない道は避ける」「不審な人物には近づかない」など、注意を呼びかけている。

 銃を使った事件も多発している。5月にはマンハッタンの地下鉄車内で銃撃事件が発生し、利用客のアジア系の男性が死亡。犯人は逃走中。目撃者の証言によれば、犯人は電車内を歩き回り、突然被害者に対し至近距離から発砲したという。ニューヨークとワシントンDCで連続して銃撃事件を起こし、5人負傷、2人を死亡させた精神疾患のある犯人もいた。

●10月15日、ニューヨークの地下鉄6番線のEast149丁目駅(ブロンクス区)で、乗客のアジア系男性が線路へ突き落とされて負傷。犯人は逮捕された。
●10月17日、地下鉄E線のジャクソン・ハイツ-ルーズベルト街駅(クイーンズ区)でアジア系男性が男に罵られ、線路に入ってきた電車に突き飛ばされて死亡した。後のことだが、そのアジア系男性は私の娘の高校時代の同級生で、米国生まれで米国育ちの人だったと知って、我が家でも大きな衝撃を受けた。
●10月21日、地下鉄L線のクイーンズ区でも、アジア系男性が男に線路へ突き落とされて負傷。犯人は逃走中。

 こうした事例はヘイトクライム事件のごく一部である。